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オフィスレポート


Office Report

【株式会社フクヤ 様】リフレッシュルームで社内のコミュニケーションを活発化

   プライズ景品を主軸とするアミューズメント景品の企画・製造・販売を行う株式会社フクヤを取材させていただきました。 また、急成長を遂げる同社の強みについても同社MD事業本部 経営企画部 部長の古家 慎吾 さんにお話を伺いました。 会社の成長に応じた新たな環境を設置していくことが重要 ―まず今回、移転に至ったきっかけを教えて下さい。 昨年度に経営理念を改訂しました。その新しいビジョンの中に「フクヤらしい発想を元に、心踊る体験を提供して選ばれる企業になる」というものがあります。その中で人員の確保や、新たな環境を設定していく必要があると我々は考えており、そ一つとしてあったのがオフィス移転でした。また、人員がかなり増え、前オフィスが手狭になってきたというのも移転の大きな理由です。 ―事業の成長拡大にはどのような背景がありますか 産業自体に強みがあると思っていますが、特に海外からの「熱い眼差し」があるのがアニメを扱うコンテンツ部門だと思います。フクヤならではの先見の明がある社員がたくさんおり、強みとなっています。 コミュニケーションの活性化が新たなアイデアにつながる ―今回の移転で一番苦労されたことは何ですか? まずは短納期であったこと。通常ですとオフィスの移転には1 年程かけると思うのですが、今回は良い物件とご縁があったことから、短納期で決定し、私がそのプロジェクトの担当をさせていただくことになりました。短納期でも独断と偏見で決めたくは無かったので、各チームから1 名ずつ集めた女性3 人・男性5 人の移転プロジェクトチームを立ち上げ、コンセプトづくりから、デザイン・内装・レイアウトに携わっていただきました。皆さんにご協力いただいた甲斐があり、引き渡しまで約半年間という超短期間で完成しました。 ―移転後の社内の反応はいかがでしょうか? 全体的には前オフィスに比べて専有面積が非常に増えたので、皆が「快適に業務が行えているな」という象を持っています。 そもそも会社としても部署を超えた「社員同士のコミュニケーションを大切にしたい」という考えがあリました。一番人気なのはリフレッシュルームで、コミュニケーションの活性化を狙ったこのスペースは新たなアイデアが生まれる場所として、社員からも多くのリアクションがあり、大変喜んでくれているようです。 その他ではミーティングルームの充実です。前オフィスではミーティングルームが3 室しかありませんでしたがその数が倍数になりました。会社が成長しているイコールそれだけミーティングの数が増えているということですので、そこがストレスなく予約出来るという点で大好評です。こういった業務改善を一つひとつ解決することで確実に、生産性が向上すると考えています。 企業パーパスである人々の心に影響を与える、人々の笑顔をつくっていく ―最後に今後の展望を教えて下さい。まず、冒頭にお伝えしたビジョンを達成していくことが課せられた義務、責務だと思っています。その上で、弊社のパーパスである「人の心に影響を与える、人々の笑顔をつくっていく」ということを目指す。多くの人の人生に「プチハッピーをつくっていくこと」こそが弊社の強みだと考えています。 ここでいう「プチハッピー」というのはイメージでいうとクレーンゲームで欲しいアイテムがとれた瞬間の「やった!」という感じ。何度も挑戦して、欲しいアイテムをやっと手に入れた瞬間ってすごく小さ幸せですが、メチャクチャ嬉しいですよね。大人から子供まで、そして国籍を問わず皆が笑顔になる瞬間です。決して不可欠な物ではないけれど、実はそういう小さなハッピーの積み重ねが日々の暮らしには大切なのではないでしょうか。   それを我々は「プチハッピー」と呼んでいます。今、ゲームセンターはひとりで遊びに行く場から、恋人とデートで利用したり、友達・家族などと集まって利用する娯楽の場として大きく変貌を遂げました。クレーンゲームでアイテムを取れた瞬間の「プチパッピー」を是非、大切な人と味わっていただきたい。そんな思いを込めてフクヤでは、これからも、お客様の「プチハッピー」を提供し続けていきたいと思っています。   取材先:株式会社フクヤhttps://www.fancy-fukuya.co.jp/

【コクヨマーケティング株式会社】オフィスは今、働く場所からコミュニケーションをとる場所へ 

  働き方改革やコロナ禍の影響でオフィスに対する考え方は大きく変わりました。今回は「働き方と働く空間」の提案を行うコクヨマーケティング株式会社の東京霞ヶ関ライブオフィスを取材させていただきました。 近年のオフィスレイアウトや家具のトレンド、同社が注力する取り組みについて同社事業戦略本部コーポレートコミニュケーション室室長の日紫喜 友和(ひしき ともかず)さんにお話を伺いました。 コミュニケーションと情報をインプットする場としてのオフィス ――近年のオフィスレイアウトや家具のトレンドについてお聞かせください。  コロナ禍の影響でテレワークの実施が余儀なくされていましたが、最近ではオフィス回帰の傾向にあるようです。 しかし、テレワークを継続する企業も多く、オフィスのレイアウトは、出社とテレワークを組み合わせたハイブリットワークが前提になっているようです。 そこで増えてきているのが、フリーアドレスの運用、さらにサードプレイスを踏まえた働く場所や時間を選ばないABW(Activity based Working)の考え方を取り入れたオフィスです。 最近ではオフィスへ出社する目的も変わってきているようで、単に仕事をする場から同僚とのコミュニケーションや情報をインプットする場へと、認識が変わってきているように感じます。家具についても、カフェカウンターといったカジュアルなものの採用が増え、従来の形式には囚われないコミュニケーションを重視する傾向にあるようです。 開放的なオープンオフィスが増える一方で、音への配慮も ――ハイブリットワークを導入する際、オフィスづくりで気を付けることはありますか。  ハイブリットワークの浸透でオフィス内のどこでもWEB会議が出来る環境になったことで、話し声が騒がしいことや相手にはオフィス内の音がマイクに入ってしまうなど、音問題が生じます。そのため弊社のワークポットのような密閉型ブースの引き合いが多いです。また遮音せずとも気軽に音対策できるブース(製品名:フォーレ)も好評を得ています。 レイアウトの考え方については、出社率が100%に戻らないことを前提に、あえてオフィス動線を複雑にさせて歩行時に偶発的なコミュニケーションを促すような作り方が好評です。オフィス内の各所にコミュニケーションが取れるエリアを配置するなど、従来なら無駄と思われるようなレイアウトも増えてきています。 ――首都圏と地方でオフィスづくりの考え方に違いはありますか。  首都圏のオフィスの多くは、会社でしか出来ないことを念頭にしたレイアウトでは無いでしょうか。例えばマルチディスプレイを常設した席や、参考資料を一点に集めたコーナー、視線を遮ったブースなどが挙げられます。弊社もその潮流に乗り、東京霞が関オフィスのコンセプトを〝みんなが来たくなるオフィス〟として設定してオフィスを運営しています。地方については、製造業を中心にオフィスリニューアルが増えてきているようです。その理由として、人材の流出です。人手不足が多くの企業で課題になっている中、〝この会社で働きたくなる〟と思わせるお洒落なオフィスリニューアルは、働いている人にとって好評のようです。いままで製造業のオフィスはただの事務所としてしか見られてこなかったので、この変化は大きいです。     オフィス環境はさまざま。顧客ごとの答えを導くヒントとなる「ライブオフィス」 ――全国で運営するライブオフィスの役割についてお聞かせください。  当社では、経営や働き方に関する課題を想定し、実際に当社社員が働く姿を見ながら、顧客ごとのオフィスづくりの答えを導くための「ライブオフィス」を運営しています。現在、東京霞が関・大阪梅田・名古屋・広島・福岡の5拠点で展開しています。 フリーアドレスの導入など従来型の働き方からの脱却を目指す企業も増えてきており、家具のレイアウトや、オフィスの運用面などで不安に思う方も少なくありません。新たな働き方やオフィスレイアウトの刷新を希望の際は、一度、弊社の働き方をご体験いただければと思います。   「ライブオフィス」は今、新たな働き方・新たなオフィスへのアイデアが生まれる場所になってる。 取材先:コクヨマーケティング株式会社 (https://www.kokuyo-marketing.co.jp/)

【三井不動産ビルマネジメント株式会社】移転後にオフィスツアー開始!他社との交流を生む場に

 三井不動産ビルマネジメント株式会社は、2020年の移転を契機にテナントファシリティ担当者向けの見学会「オフィスツアー」を開始した。目的や開始に至る経緯、現在のオフィスについて、営業推進部営業推進グループ主査の井岡悟さん、同グループの稲葉なつみさん、受託事業推進本部受託営業部リーシンググループ主査の佐々木光富さんに話を聞いた。 移転に伴いオフィスツアーを開始。年間の来社数は約150社  同社は2020年6月、本社を東京都中央区東銀座の銀座6丁目-SQUAREから、同区日本橋室町の三井二号館に移転。地上11階からなる建物内の5.5フロア分を借り、現在、685人が働いている。  この移転に併せて同社では、社外向けの取り組みとして「オフィスツアー」を立ち上げた。オフィスツアーは、オフィスづくりで悩みを持つテナントファシリティ担当者に来社してもらい、フリーアドレスやABW、家具・什器の配置方法など、これまでのオフィスビル運営管理事業で蓄積してきたノウハウを披露し、各企業が抱える働き方の課題解決につなげる社外向けツアーだ。  主に、オフィス関係のアドバイスを行う営業推進部営業推進グループが中心となり運営している。  オフィスツアー開始の経緯について井岡さんは「ファシリティ担当者が相談するための間口を広げ、当社と交流できる場を増やしたかった。出社せずに働けるようになった昨今、オフィスの価値が問われている。当社のワークスタイルを見てもらうことで、オフィスはどうあるべきなのか、どういう場なのか。来社した人と共に再定義するための機会でもある」と話す。  単にビジネスチャンスを掴むために行うのではなく、他社との交流に重きを置いたオフィスツアー。年間約150社がオフィスづくりのノウハウや情報収集のため見学に訪れる。  来社企業が抱える悩みのひとつが、どのようにしてオフィスに人を戻すか。中には、出社率を上げるため内装を改修したものの「思い通りの運営ができない」と嘆く声も珍しくない。そうした課題に対して参考になるのが、部署ごとに異なるレイアウトやその運用だ。  各部署が、自分たちにとって一番働きやすい環境にするために日々レイアウトや運用について検討している様子が垣間見える。製品が整然と並ぶショールームと違い、目の前で働いている従業員がいるため、オフィスづくりのイメージを掴みやすい。  オフィスツアーのコンセプトは「見てわかる、来てわかる、ワークスタイル変革」。稲葉さんは「働く環境を改善したいと思っていても、具体的なイメージを持てていない人は多い。コンセプトにもあるように、時代に即した働き方が、見て、来て、わかるようになっている。理想の働き方を実現するためのお手伝いとして、今後も注力していく」と述べた。 島型対向のレイアウトを一新。ABWで交流を生む  旧オフィスは、デスクを向かい合わせた部署ごとに島を形成するいわゆる島型対向式のレイアウト。対して新たなオフィスは、集中・リラックスフロア(6階)、コミュニケーションフロア(8階)、コラボレーションフロア(10階)といった様々な機能を持たせたフロアをオフィスフロア(7階、9階、11階)の間に挟み込み回遊を促し社員の交流を活性化させる仕掛けをした上でABWを意識した空間設計になっている。  佐々木さんは「島型対向は、管理者の目が届く範囲に部下がいるため管理しやすい。新たなオフィスでは、そうした管理ができなくなるため、戸惑いや不安を示す従業員も少なくなかった。移転には計画してから約2年掛かったが、その間、対話や社員が変革を受け入れられるようにサポートするチェンジマネジメントプログラムを繰り返し実施することで、社員全体の理解を深めていくことができた」と振り返る。  コミュニケーションフロアには、カフェやライブラリー、ロッカーなどを集約させることで偶発的な交流の活性化を狙った。  ほかにも通路を広めに確保しているため、人の往来を気にすることなく立ち話ができるようにする等、通常であれば無駄に思えるスペースも、交流の場として活用されている。  現在のオフィスについて従業員からは、効率的に業務をこなせるようになった、出社意欲が湧いたなどと好評だ。  これからのオフィスづくりについて、井岡さんは「テレワークの副作用として、コミュニティの希薄化が起きていることが課題。オフィスでコミュニティを作るには、出社したくなる吸引力をもったオフィスが求められる」と述べた。  稲葉さんは「経営トップの意向によりオフィスのあり方は変わる。リモートだからできること、出社しないとできないこと。それぞれをどう捉えるのか。出社する意味を考えた環境づくりが大事だ」と述べた。  佐々木さんは「何のために移転やレイアウト変更を行うのか。目的意識を持つことが大事。一度立ち止まり、働き方の方向性を見つめ直す時代になっている。オフィスづくりのヒントを、来社して掴んで欲しい」と結んだ。 取材先:三井不動産ビルマネジメント株式会社(https://www.mfbm.co.jp/)

【株式会社イトーキ】多様化するオフィス空間。 企業ごと個性が生まれる時代に

 コロナ禍をきっかけに私たちの働く環境は変わりつつあります。テレワークの導入による出社率減や特定の座席を持たないフリーアドレスの導入など。オフィス空間の多様化が進んでいる中、どのような働く環境が生まれているのか。  OFFICE PLUS編集部は『明日の「働く」を、 デザインする。』をミッションステートメントに掲げ、時代に先駆けた新たなオフィス空間づくりを提案する株式会社イトーキ東京本社「ITOKI TOKYO XORK」を取材しました。  近年のオフィスレイアウトやオフィス家具のトレンドがどのように変わってきているのか。同社執行役員で営業本部ワークスタイルデザイン統括部長の岡田直之さんにお話を伺いました。 フリーアドレスやABWが進みオフィスに個性が生まれる ――貴社の事業概要についてお教えください。  1890年の創業以来、オフィス家具、ICT・映像音響機器、建材内装設備など幅広く取り扱っています。また、オフィス環境整備のための調査やコンサルティングサービスなど「働く環境づくり」をトータルに支援しています。 ――近年のオフィスレイアウトのトレンドについてお聞かせください。  オフィスに対する考え方が多様化し、企業ごとに個性が出てきています。オフィスづくりといえば、社員人数分のデスクを置くことが普通でしたが、近年は、フリーアドレスやABW※を前提としたオフィスづくりに取り組む企業が増えてきているようです。 ※ABW:Activity Based Workingの略。自律的に業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択する働き方。自宅やカフェ、サテライトオフィスが仕事場。オフィスも含まれる。  オフィス家具の導入を最小限に抑えることにより、余分なスペースが生まれ、オフィスレイアウトの自由度も高まります。さまざまなデザインの家具のほか、絵画やオブジェなどといったアートも配置することができます。 内装デザインに注力する企業が増加。環境への配慮も当たり前に ――近年のオフィス家具のトレンドについて教えてください。  生産性向上が重視される昨今、オフィスを快適にし、社員のモチベーションやストレス軽減を図るためインテリアや内装デザインに注力する企業が増えてきています。家具もスチール製ではなく、木製家具の採用や中間色を落とし込んだ空間にするなど様々です。  近年は、環境対応も欠かせなくなっています。 SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治を考慮した事業活動)といった言葉が出ないオフィスづくりはほとんどありません。脱炭素のために緑を取り入れる、地域の木材を使用する、再生素材で製作された家具を導入するなどです。  Web会議が当たり前になった影響か、デジタル技術が組み込まれた家具も市場に投入されてきています。当社にも取り扱いがありますが、カメラや指向性スピーカーが取り付けられたテーブルです。 メーカーとしてだけでなく“働き方”のコンサルタント企業として ――今後の展望について、御社の取り組みを交えてお教えください。  当社は2018年に首都圏のオフィスを集約し、新たに東京日本橋に新社屋を構えました。「ITOKI TOKYO XORK(イトーキ トーキョー ゾーク)」と名付け、ワークスタイルデザインの“ラボ”と位置付けています。ゾークでは新たなレイアウトや新製品を実験的に展開しています。社員自身が新しい働き方や新製品を体験し、自らの言葉でお客さまに新しい働き方を提案してもらうことが狙いです。  「実際に新 しい働き方を見たい」「オフィス移転を考えているがイメージを明確にしたい」という要望が増え、現在、 ITOKI TOKYO XORKには、1日に約150名、1カ 月で約3000名が来館しています。  オフィス家具メーカーとしてだけではなく、働き方をコンサルティングする会社として、今後も時代に即したオフィス空間づくりに挑戦し、新しい働き方をデザインしていきたいと考えています。 取材先:株式会社イトーキ(https://www.itoki.jp/)

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