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起業家の窓


合同会社の設立について【起業家の窓・第2回】

「企業家の窓」第2回は合同会社についてです。大手の外資系企業の日本法人に合同会社が多いことをご存じですか?Google合同会社、Apple Japan合同会社、アマゾンジャパン合同会社などです。 では、合同会社はどんな企業に適しているのか考えていきましょう。 1. 中小規模の事業および成長志向の企業 合同会社は、社員(出資者のことを“社員”と呼びます)が有限責任であるため、事業の成長に伴うリスクを相対的に低減させることができます。 このため、中小規模の事業や成長志向の企業にとっては最適です。 合同会社は成長過程で柔軟な経営体制が求められる場合、法的な枠組みの変更が比較的容易なため、スピーディな意思決定を可能にします。 2. 業界の変動が激しい事業 合同会社は組織の柔軟性が高く、社員間で契約に基づく自由な合意が可能です。 このため、変動が激しい業界や事業においては、適応性が高いのです。 急速に変化する市場において、事業モデルや組織構造を柔軟に調整できることが合同会社の強みとなります。 3. 高度な専門性やクリエイティブな事業 合同会社は出資者(社員)間で契約を結ぶことができ、経営参加権や権限の配分が柔軟であるため、高度な専門性やクリエイティブな事業に適しています。 専門家やクリエイターが事業に参加し、それぞれの得意分野での貢献が重要な場合、合同会社の契約上の自由度が利点となります。 4. 少数の共同経営者が連携する事業 株式会社の場合は出資者である株主と、経営を預かる取締役に分かれています。 いわゆる所有と経営の分離です。 一方、合同会社の場合は出資者自身が経営の方針を決定し、業務も遂行することになります。 つまり、所有と経営が一体となった運営がなされるため、意思決定のスピードや透明性を高めるために有利となります。 まとめ 一般的に、合同会社は法的な柔軟性や有限責任の特徴を活かして、中小企業や新興企業、変動が大きい産業、共同経営者による連携が求められる状況、専門性やクリエイティブ性が重視される事業などに適しています。 企業が事業展開の方針や成長戦略を検討する際には、これらの特性を踏まえて最適な法人形態を選択しましょう。

法人設立書類

一般社団法人の設立について【起業家の窓・第1回】

法人設立ってなんだか難しいし面倒」だと思っていませんか? でも、会社を設立するうえで避けて通れないのもまた事実ですね。 初めまして、行政書士のペリーフカサワです。 「あなたの街の法律家」として、難しく捉えられがちな法令関連の話題をわかりやすく、身近な話題を交えつつお届けしますので、よろしくお願いいたします。 一般社団法人とは  一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された営利を目的としない「非営利」法人です。  ここで言う非営利とは「株式会社のように株主に利益の配当をしない」という意味です。 「利益を出さない、収益事業をしない」という意味ではなく、「利益の配当をしない法人」という定義となります。 利益を出したり、収益事業を行ったり、役員報酬を出すことは問題ありません。   一般社団法人設立の5つのメリット メリット1・短期間で事業開始出来る 以前までは、設立に厳しいチェックがありましたが現在では、設立の審査や許可などがなくなりました。 事業に制限もないため、誰でも法務局への登記手続きのみで設立することができるようになっています。 また、社団法人という響きから公益性が高く社会的信用も高い印象があり業種によっては良いイメージを持ってもらえます。 メリット2・費用負担が少ない 法人の設立は、株式会社に比べ資本金の必要がなく(株式会社設立は15万円、社団法人は6万円が必要です)社員が2名以上いれば設立することができます。 同じ非営利のNPO法人では、10人以上の社員が必要なため、一般社団法人はその点においても設立しやすいと言えます。 設立にあたり官庁の許認可は不要、また、設立後も監督官庁がないため監督官庁への報告等の書類作成も不要です。 メリット3・税法上のメリットがある 設立には「普通型」と「非営利型」の2種類があります。 非営利型法人の場合は、収益事業以外は課税の対象にならず、「非営利型」にするには定款で定める項目が決まっています。 メリット4・法人名義で銀行口座を開設したり不動産登記をすることができる 法人格がない場合、代表者個人の名義で登記した銀行口座の開設をするため、団体と個人の資産の区分が困難になり、代表者が代わると団体の運営・存続に支障をきたすことがあります。 更に団体名(任意団体)では、契約を締結できないこともあり契約締結を個人名ですると当該個人が責任を負う恐れもあります。 そこで法人格取得することより、上記懸念事項がクリアーになります。 メリット5・国や地方自治体と契約する場合に有利 地方自治体と契約する場合、株式会社や合同会社よりも一般社団法人の方が有利になります。 理由は、行政機関が外部と契約する場合、営利法人よりも非営利法人の方が、契約し易いという面を持っているからです。   一般社団法人設立の2つのデメリット デメリット1・理事等の任期が切れたら、毎回登記が必要 一般社団法人では、理事の任期が最長で2年、監事の任期が最長で4年です。役員の任期が切れると同じ人が再任する場合でも法務局へ登記する必要があります。 デメリット2・公益認定を受けるためには高いハードルがある 一般社団法人で高い信用力を持たせたい場合、公益認定を受け、公益社団法人になる必要があります。 しかしながら、公益社団法人になるためには、高いハードルがあるため、非常に困難な要件を備える必要があります。   まとめ  法人設立は初期費用を抑えられるなど多くのメリットがある一方で、非営利法人のため、利益を構成員に分配することはできません。これはNPO法人と同様です。 利益の分配を考える場合、株式会社や合同会社の方が向いていると言えます。 一般社団法人では株式会社とは異なり、株式市場へ上場することもできません。 そのため、将来事業を拡大し、より多くの利益を得たいと考えているのであれば、一般社団法人はむいていません。 メリット・デメリットを踏まえた上で一般社団法人の設立を検討しましよう。

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