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会社設立


ネット契約書雛形は危険?【起業家の窓・第5回】

さて、今回の「起業家の窓・第5回」では第4回に続き、契約書について考えてみましょう。  皆様契約書の作成はどうしていますか?起業したばかりの頃は法務部もなく、顧問弁護士もおらず「自分で作ってみよう!」とネットでひな型を探し見真似で作成しているケースも多いと思います。  契約書のひな型を使用することにはいくつかの危険性と注意点があります。ひな型は便利で時間を節約できる一方で、個々の取引や状況に合わせた細かなニュアンスが欠けている場合があります。以下にその主な問題点を詳しく説明します。   主な危険性と注意点 ◾️不適切な内容:契約書のひな型は一般的で広範な内容を提供しますが、公判であるが故に特定の取引や契約に必要な細かい条件や法的ニュアンスが欠けていることがあります。これにより、契約の解釈や適用に問題が生じる可能性があります。具体的なニーズに必要な条件や条項が不足していることがよくあります。そのため、契約が意図した通りに機能しなかったり、解釈において争いが生じたりする原因になり得ます。特に複雑で特殊な取引では、細部にわたる検討が必要となります。   ◾️法的要件への適合不足: 法的環境は地域や業界によって異なるため、すべてのひな型がすべての法的要件を網羅しているわけではありません。様々な法的要件や規制が存在するため、ひな型がそれに適合していない場合があります。不適切なひな型を使用すると、契約が法的に無効とされるリスクが生じ、それによって法的な保護を受けられなくなる可能性があります。状況に適していない: 契約は取引の特定の条件や当事者のニーズに合わせて作成されるべきです。一般的なひな型では、すべての状況に適合することは難しく、特定の状況や要件に完全に対応できない場合があります。これが、後のトラブルの原因となることも少なくありません。   ◾️責任が不明確: 契約のひな型は一般的であるため、ひな型をそのまま使用した場合、当事者間の責任分担や義務が不明確になることがあります。これは後に解釈の問題や契約の履行に関する争いに発展するリスクを含んでいます。特定の責任分担や義務の詳細が不十分な場合が多いです。これが原因で、どの当事者が何に責任を持つのか、または特定の状況下での義務の範囲が明確ではなくなり得ます。   ◾️更新と改正の無視: 法律や規制は常に更新されていますが、無料や低コストの契約書ひな型はこれらの変更に迅速に対応しているとは限りません。使用するひな型が古い情報に基づいている場合、不適切な契約内容により法的保護を失う可能性があります。   ◾️専門家のアドバイス不足: ひな型を使用することで、法的アドバイスや専門家の意見を求めることが軽視される場合があります。専門家の助言を受けることなく契約を結ぶことは、重大なリスクを引き起こす可能性があります。契約において専門家の助言は、不確実性を減らし、法的なリスクを避けるために非常に重要です。   必ず、特定の取引や事業条件に最適化された内容を含める  契約書の作成には、関連する法的要件を完全に理解し、特定の取引や事業条件に最適化された内容を含める必要があります。したがって、契約書のひな型を使用する場合は、これらのリスクを認識し、可能な限り法的アドバイスを受けることが推奨されます。実際の契約書作成に際しては、企業内の法務部門がない場合は、外部の法律専門家に相談し、契約内容が法的に適切かつ具体的な事業や取引の要件に適合していることを確認することが重要です。 契約書の更新も重要  契約の各条項を細部にわたり検討し、必要に応じて調整を加えることで、不測の事態に対応し、当事者間の意思の不一致を防ぐことができます。また、契約の効力を確保するためには、定期的にその内容を見直し、法的な変更や事業環境の変化に応じて更新することが求められます。  このように、ネットで拾った契約書のひな型を使用する際には多くの注意が必要です。便利さと速さに惹かれることもありますが、結果として大きなリスクを招くこともあるため、専門的な検討とカスタマイズを怠らないことが、安全かつ効果的な契約管理には不可欠です。

契約書の取り交わしについて【起業家の窓・第4回】

さて、今回の「起業家の窓・第4回」では契約書について考えてみましょう。 皆様いろいろな契約書を結んでいると思います。契約相手方が提示してきた契約書は相手方の有利になっていることが多いです。その内容や条件が「一方的である場合」や、「意図的に曖昧さが含まれている場合」があります。その場合は、修正や加筆を求め公平な内容にすることが重要なのです。以下に、そのような注意すべき契約書の例を示します。   1.契約書とは そもそも、「契約書」とは何か?を考えてみましょう。 契約書には主に以下の4つの役割があります。 ①どのような商品、サービスの提供に対してどのような対価を支払うのかを契約の当事者が相互に確認するもの ②法律上のルールを当事者にあわせて修正するもの ③契約当事者間で紛争が生じた際の解決の基準とするもの ④訴訟となった場合に裁判所に提出する重要な証拠 契約書を締結する際には、主にこれらの点を意識することがとても重要です。 万が一紛争になったとしても、金額が低いなど、リスクの低い契約であれば、契約書の締結に時間やコストをかけるのは得策ではありません。簡単な物の売買であれば、発注書、請求書レベルの書類のやりとりでも構わないことが多いでしょう。他方で、重要な事業の取引や、紛争となった場合のリスクが大きい取引などについては、相応の時間とコストをかけて契約書を締結すべきです。 2.注意すべき契約書とは 不当な取引条件: 契約書には、一方の当事者が極端に不利な条件を押し付けることがあります。たとえば、サービス提供側が無条件に料金を大幅に引き上げることを認める条項があったり、製品の品質や保証に関する責任を一方的に免除する条項が含まれている場合があります。 罰則の不合理な厳格性: 契約書には、一方の当事者が契約違反時に支払う罰金や損害賠償金の額が極端に高額である場合があります。これにより、一方の当事者が業務を継続することが困難になり、不当な圧力がかかる可能性があります。 不当な契約解除権: 契約書には、一方の当事者が任意で契約を解除する権利を有する場合があります。しかし、この権利が不合理な条件や通知期間の不合理な短さで定められている場合、もう一方の当事者にとって不利な状況が生じる可能性があります。 不正確な表現や誤解を招く言葉の使用: 契約書には、故意に曖昧な表現が含まれることがあります。これにより、当事者が契約内容を正確に理解できず、意図せずに不利な条件に同意する可能性があります。 法的責任の免除: 契約書には、一方の当事者が自身の法的責任を免除する条項が含まれる場合があります。これにより、もう一方の当事者が損害を受けた場合でも、補償を受ける権利が制限される可能性があります。 不当な契約更新: 契約書には、自動更新条項が含まれる場合があります。これにより、契約の更新を望まない一方の当事者が意図せずに新たな契約期間に拘束される可能性があります。 これらの要素が組み合わされた注意すべき契約書は、一方の当事者にとって不利な状況を生み出し、公正さや透明性が欠如した契約関係を形成する可能性があります。契約書の内容は法律用語や独特な言い回しが多く、慣れていないと難解です。したがって、契約書を交わす前に、細心の注意を払い、必要に応じて専門家の助言を求めることが重要です。創業時から余裕があれば専門家との顧問契約をおすすめします。 3.誠実で円満な取引のために契約書をつくる  原則的に、当事者の口約束でも契約は成立しますので、必ずしも、契約書を作成することが必須というわけではありません。 契約書がなくても今まで特に問題が起きなかった うちの業界は信用取引が当たり前 契約書の作成をすると、相手に不信感を抱いていると思われる このような理由から、「そもそも契約書を作成していない」というケースもあります。 いざトラブルが起きたときに「こういう内容の契約だったんです」と声高に叫んでも、契約書が存在しなければ証明することができません。 しかし、事前に契約書が作成されていれば、その契約書に従って処理すればよいのですから、取引相手とのわだかまりが残ることはありません。 いざというときのリスクを最小限にするために契約書を作り、また、取引相手との友好的な関係を継続するために契約書は必要なのです。      

企業名の戦略的考え方とは【起業家の窓・第3回】

さて、今回の「起業家の窓・第3回」では会社名について考えてみましょう。 会社の名前はロゴマークと同じく、顔となり、イメージをつくる重要なものですね。 世界的に有名な企業の例を参考に会社名を決定する際の注意点をお伝えします。   1.会社名には、会社の種類を入れなければならない 日本では会社名を決める際、会社の種類を入れなければなりません。 株式会社であるならば、「前株(まえかぶ)」や「後株(あとかぶ)」という表記になります。どちらに配置するかは自由です。 現行の会社法では、株式会社や合同会社を英語表記の「Co.,Ltd」や「LLC」などで登記することはできませんが、定款には英語表記での記載が可能です。 出典:法務省「商号にローマ字等を用いることについて」 注意したいのは、同一あるいは類似した会社名の場合、不正競争防止法により損害賠償を求められるケースがあります。 類似の会社名(商号)が存在しないかで調べておくと安心です。 登記情報提供サービス 2.文字や符号は使用できるものが決まっている 会社名(商号)として使用できる文字や符号は下記に限られています。 また、符号の使用は字句を区切る際に限り、商号の先頭あるいは末尾に使用することは原則出来ません。 「文字」 漢字 ひらがな カタカナ ローマ字(大文字・小文字) アラビア数字(0,1,2,3,4,5……) 「符号」 &(アンパサンド) ‘(アポストロフィ) ,(コンマ) -(ハイフン) .(ピリオド) ・(中点) 3.外国語での意味や発音も念頭にいれる 設立前に進出したい国が決まっているならば、スラングや発音なども含めて、現地の言葉でマイナスイメージになっていないか事前に確認しておくことが重要です。 アメリカ発の大手通販ポータルサイトであるAmazon(アマゾン)は、当初の「Cadabra.com」という名前が英語で死体を意味するCadaverと音が似いるためAmazon変更された話は有名です。   ◾️アップル・インコーポレーテッド(Apple Inc.) 創業者のスティーブ・ジョブズ氏がインドで修行中、果物の摂取が禁じられていたため、その経験から果物に対する興味を抱くようになりました。 創業当初は「アップル・コンピュータ」の名前でした。ジョブズ氏が「アップル」にこだわった理由は単に果物に対する愛着だけでなく、アルファベット順で登録しやすいこと、そしてシンプルで覚えやすい名前がマーケティング的に有利だと考えたからです。 結果的に、アップルはコンピュータ産業において世界的な巨大企業となり、そのブランド名は革新と洗練を象徴するものとなりました。   ◾️ユニクロ株式会社(Uniqlo) ユニクロはもともと「ユニクローズ」(Unique Clothing)というブランド名でスタートしました。 創業者の柳井正氏は、一般的でなく、オリジナルでユニークなファッションを提供することを企業のコンセプトとしました。 ブランド名を略して「ユニクロ」に変更する際、英語の発音やスペルが親しみやすく、国際的にも浸透しやすいと考えました。 このユニークで独自性のあるアプローチが、ユニクロが世界的なファッションブランドとして成功する一因となりました。   ◾️ハーゲンダッツ(Häagen-Dazs) ハーゲンダッツは、アメリカ合衆国で創業されたアイスクリームブランドですが、その名前はデンマークやスウェーデンのような北欧のイメージを連想させます。 実際には北欧の言葉ではなく、造語だそうです。創業者はデンマークの伝統的な製法に敬意を表すため、北欧風の名前を選びました。 これにより、ハーゲンダッツは高級感や品質のイメージを持つこととなり、世界中で愛されるアイスクリームブランドとして成功しました。     会社名は決めた後に変更することも可能です。しかし、大変な手間を要するため、決める際は、守るべき基本ルールや気をつけるポイントを踏まえ、理念や事業を何処に展開していきたいのかなど検討し決定すると良いでしょう。

合同会社の設立について【起業家の窓・第2回】

「企業家の窓」第2回は合同会社についてです。大手の外資系企業の日本法人に合同会社が多いことをご存じですか?Google合同会社、Apple Japan合同会社、アマゾンジャパン合同会社などです。 では、合同会社はどんな企業に適しているのか考えていきましょう。 1. 中小規模の事業および成長志向の企業 合同会社は、社員(出資者のことを“社員”と呼びます)が有限責任であるため、事業の成長に伴うリスクを相対的に低減させることができます。 このため、中小規模の事業や成長志向の企業にとっては最適です。 合同会社は成長過程で柔軟な経営体制が求められる場合、法的な枠組みの変更が比較的容易なため、スピーディな意思決定を可能にします。 2. 業界の変動が激しい事業 合同会社は組織の柔軟性が高く、社員間で契約に基づく自由な合意が可能です。 このため、変動が激しい業界や事業においては、適応性が高いのです。 急速に変化する市場において、事業モデルや組織構造を柔軟に調整できることが合同会社の強みとなります。 3. 高度な専門性やクリエイティブな事業 合同会社は出資者(社員)間で契約を結ぶことができ、経営参加権や権限の配分が柔軟であるため、高度な専門性やクリエイティブな事業に適しています。 専門家やクリエイターが事業に参加し、それぞれの得意分野での貢献が重要な場合、合同会社の契約上の自由度が利点となります。 4. 少数の共同経営者が連携する事業 株式会社の場合は出資者である株主と、経営を預かる取締役に分かれています。 いわゆる所有と経営の分離です。 一方、合同会社の場合は出資者自身が経営の方針を決定し、業務も遂行することになります。 つまり、所有と経営が一体となった運営がなされるため、意思決定のスピードや透明性を高めるために有利となります。 まとめ 一般的に、合同会社は法的な柔軟性や有限責任の特徴を活かして、中小企業や新興企業、変動が大きい産業、共同経営者による連携が求められる状況、専門性やクリエイティブ性が重視される事業などに適しています。 企業が事業展開の方針や成長戦略を検討する際には、これらの特性を踏まえて最適な法人形態を選択しましょう。

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