インドの階段井戸【コジジ教授の建築閑話・第1話】
WEBマガジン「OFFICE PLUS」で、本コラムの執筆を担当することになりましたコジジ教授です。建築に関する四方山話を気楽にお伝えできれば幸いです。
特に海外滞在が延べ20年近くありましたので、掘り出し物のウンチクをご披露できればと考えております。宜しくお願いいたします。
もともと王宮だった地下に続く階段井戸
記念すべき第1話は、インドの建築物についてお話いたします。
ご紹介したいのは「階段井戸」と称する遺跡であります。インド旅行の観光コースには全く入っていない隠れた名所です。私が訪れたのは、インド北西部ラジャスターン州の州都ジャイプール市から約90kmの郊外、アバネリ村にひっそりと存在する「チャンド・バオリ」階段井戸であります。
ちなみにジャイプール市は世界遺産の宝庫の観光都市であります。旧市街はピンクシティと称されるピンク色の街並みやシティパレス(王宮)、郊外にはアンバール城など見どころ満載のエリアですが、今回の記事ではパス。
写真をご覧あれ。逆ピラミッド型に四角錐状に掘り下げた巨大な石窟であります。
各壁面を階段が13層、総数3500段も幾何学模様的に続いています。遺跡というよりも見事な芸術作品にも見えます。
実はこれは9世紀、1300年前の王宮跡なのです。水の出るオアシスそのものを掘り下げて宮殿にするという発想は見事であります。
映画「ザ・フォール」を見て遺跡訪問
内輪話をしますと、私がこの遺跡訪問を思い立ったのは「ザ・フォール/落下の王国」(2006年作品)というファンタジー映画を見たからなのであります。その一場面の撮影にこちらが使われた次第であります。なんとインドにはこの他にも、らせん状の「ダーダハリ」階段井戸(グジャラート州)なども存在します。ご興味ある方はぜひ検索してみてください。
お楽しみ頂けましたでしょうか?
次回も、乞うご期待!
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