目に優しい反射光で画面表示するディスプレイを開発
世界的に近視になる人が増加傾向
スマートフォンの普及、高精細な液晶表示、ペーパーレス化の導入など日々生活を送る中で、ディスプレイやモニターから発せられる光に晒される機会が増えてきた。これに伴い、まぶしさに悩む人(光過敏)も増加。WHOの調べによれば、2050年には人口50億人の内、約半数が近視になると試算、公衆衛生上の懸念があると警鐘を鳴らしている。
そうした中、医療関係のソフト・ハードウェアの開発・販売を手掛けるEssence research株式会社代表取締役の澤田真如氏は、反射の光で画面を表示する「Natural Light Display」を開発した。
反射光を利用して画面を表示
通常のディスプレイは、内部にLEDが組み込まれており、これらが発光することで画面にビジュアルが表示される。つまり光を直視しているということになる。一方、Natural Light Displayは、天井照明など周囲の光を利用して画面を映し出しているため、まぶしさを感じない。ディスプレイ内部に特殊コーティングされた反射板を使用することで、直接光が目に入らず、周囲の明かり(反射)を利用することで液晶表示を実現させている。ただし暗めの環境で反射の光が足りない場合は、低輝度バックライトで不足の明るさを補うことも可能だ。
室内照明など限られた光を用いる仕組み上良好な発色が難しいため、デザイナーなど色を重視する業種には向かないが、文字情報のみで仕事するオフィスワーカー向けのディスプレイだ。
まぶしさへの対策としては、ブルーライトカット用のメガネやディスプレイの輝度を下げるなどの対処が一般的だ。しかし、澤田氏は、人は基本的に室内照明で照らされた反射の光で空間を見ていることに着目、発光体を直接見続けることに疑問を抱き、直接光にさらされずに画面を見る方法はないかと開発を進める中、Natural Light Displayが完成した。
東京都町田市で常設展示
Natural Light Displayは、東京都町田市の「目と心の健康相談室」に常設展示されているほか、眼科や神経内科の学会などでも体験会を開催している。使用者からは「目に刺さる感じがしない」、「白い部分を見ても眩しくない」、「本を読んでいるような感覚」などと好評を得ている。
澤田氏は「まずは、PCの光で困っている人に訴求していく。光過敏に悩む人は多い。少しずつ現状について認識が広まれば」と話す。発売は2024年1月19日からで、2023年11月27日から予約受付を開始している。
製品仕様
サイズ/31.5インチ反射型ディスプレイ 解像度/1920×1080(約1677万色) 暗環境用低輝度バックライト機能(off可) DC調光(フリッカーフリー)
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