アジャンダ・エローラの石窟群【コジジ教授の建築閑話・第3話】
インドが誇る珠玉の遺産、アジャンタ石窟とエローラ石窟
もう一つインドの遺跡で絶対に見逃せないもの、それが「アジャンダ・エローラの石窟群」であります。ムンバイから北東に380Kmのデカン高原の岩山に広がっています。
アジャンダ石窟群は1819年に英国人が虎狩りの際に偶然発見した6~7世紀の仏教遺跡。500mにわたり30石窟がずらっと並んでいます。中国の敦煌莫高窟の小型版でしょうか。
古代三大宗教「仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教」の石窟寺院が一堂に会する世界で唯一の場所
私がお勧めしたいのはもう一つの「エローラ石窟群」であります。
こちらは南北約2㎞にわたり6~10世紀の、仏教12窟、ヒンドゥー教17窟、ジャイナ教5窟、の合計34窟が連なっています。
すなわち仏教+ヒンドゥー教+ジャイナ教が500年にわたって一堂に会する唯一の石窟群なのであります。
特に第16窟の「カイラ―サナータ寺院」は高さ32m、幅45m、奥行85mの巨大寺院ですが、写真をジックリとご覧ください。
これは石積みではなく、岩山をコツコツと彫り込んだ巨大な「彫刻建造物」なのであります。100年以上にわたり石工たちが何代も受け継ぎ完成させた、私の一押し、傑作中の傑作建築であります。
さて、昨今の世界情勢ですが、極論すれば、ロシア・ウクライナ戦争もイスラエル・パレスチナ戦争も、どちらもキリスト教やイスラム教が争いの根幹にあると思えてなりません。
なぜここまで徹底抗戦となってしまうのか。その主たる原因は一神教だからです。
絶対の神は一つであり、他を認めないのですから妥協できるわけがありません。
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